こんにちは、アキラです。
巷では、ETFやインデックス投資が主流となっている中、私は個別株投資をメインで行っていますが、私が個別株投資をするときに思ったのが、『せっかくなら優秀な銘柄に投資したい!』です。
でも優秀な銘柄って言っても何が優秀か分からない、そんな方へ向けて
本記事では以下のような、疑問、要望にお答えします。
★本記事を読むメリット★
- 企業の指標を読み解くことで、投資先として期待値があるのか分かる。
- なぜその指標が大切か、解説も入れているので、株投資初心者でも分かりやすく理解出来る。
- 図解や、銘柄の特徴など、他の銘柄分析の記事とは違う独自性も兼ね揃えている。
今回は、【KO】コカ・コーラの事業内容、株価・配当金についてや、指標から読み解く銘柄特徴を分析してご紹介します。
4つのカテゴリーに分けているので、ピンポイントに気になるところがあれば、文字をクリックして飛んでみてください。
気になるところだけ読むだけでもOKです。
【KO】コカ・コーラ 事業内容

まずは、コカ・コーラのビジネスモデル、事業内容を掴んでいきます。
投資をする上で、企業がどのように売上を作っているか知るのは大切ですからね。
コカ・コーラ社のビジネスモデル
コカ・コーラのビジネスというと、コーラを詰めて販売するくらいのイメージで、コカ・コーラ本社が全て行なっていると思っている方もいらっしゃるかもしれませんが、実態はちょっと違います。
コカ・コーラの本社が行なっているのは、研究開発や飲料原液の販売などで、飲料原液をボトルに詰めて販売する(ボトリング事業)のは、フランチャイズ化しているので別会社(ボトラー社と呼ばれている)が行なっています。
コカ・コーラ本社は図でいうと赤い部分しか行なっていません。
灰色の部分は、ボトラー社が行なっています。
理由は、ボトリング事業は利益率が悪いので、フランチャイズ化して本社から切り離した形です。
ちなみに図にも記載ありますが、ボトリング事業を行なっているボトラー社は225社あり、原液をボトルに詰める工場は900あります。
コカ・コーラ社製品別内訳と世界シェア率
引用:Coca-cola社Investor Review
商品ラインナップはこんな感じです。
炭酸飲料水の分野のシェア率は世界1位というのは皆さんも想像しやすいと思いますが、お茶やコーヒー、水の分野でも世界シェア1位なのはさすがですね。
エナジードリンクだけシェア率2位ですが、シェア1位はレッドブルでしょうね。
コカ・コーラはモンスターエナジーを取り扱っています。
コカ・コーラ社の堀(モート)
個別株投資をする上で大切なのは、そこに参入障壁があるのかです。
参入障壁が無いと、新たな会社が出てきたときに今の地位を失うことになり、安定性に欠けると考えます。
これは投資の神様ウォーレン・バフェット氏も「経済的堀がある銘柄に投資する」と語っており、参入障壁があることによって、「ほかの会社、競合他社が追いつこうと思っても、追いつけないビジネスを展開している企業に投資することによって、リターンを高めることができる」と語っています。
コカ・コーラ社が他社に敷く参入障壁は、圧倒的なブランド力と考えます。
世界中の人が、商品名を知っており、ロゴを知っており、世界中で飲まれている。
実はこれって凄いことですよね。
味覚が世界中の人々で違う中、コカ・コーラが売れるということは、全世界の人が好きな味ということです。
私も以前インドに留学したことがあるのですが、コカ・コーラ社の商品が売店に並んでいて、味も一緒でした。
「コカ・コーラ」「スプライト」「ファンタ(オレンジ味)」「ミニッツメイド」がありましたね。
またコカ・コーラって、「映画館でポップコーンと一緒に」「ピザと一緒に」「ハンバーガーと一緒に」みたいに、他の炭酸飲料水ではなく、コカ・コーラじゃ無いと嫌だという人も世界中にいて、海外では「コカ・コーラ」が無ければそのレストランに行かないと言う人もいるくらいですので、飲食店からしても「コカ・コーラ」との提携は必須になります。
エナジードリンク部門以外で世界中でシェアNo1を誇っており、ブランド力が圧倒的で、有名な商品を抱えていることがコカ・コーラ社が他社に敷く参入障壁と考えます。
【KO】コカ・コーラ 個別株 利益の得方
皆さんが知りたいのは結論、コカ・コーラの個別銘柄へ投資するとどういった利益が産まれるの?ですよね。
分かりやすいように、事業内容と、評価を図解にして見ました。
配当性向
★配当性向とは★
その期の純利益(税引後利益)の中から、配当金をどのくらい支払っているかを%で表したもの
★ここから何がわかる?★
会社が1年間で儲けたお金からどれだけ配当金として株主に還元しているかが分かる
配当性向は、企業が利益をどれだけ株主(投資家)へ還元してくれるかが分かり、30%〜40%あれば充分還元してくれていると判断出来るのだが、コカ・コーラは昨年は利益の85%、今年に至っては、利益の99%を配当として払ってくれています。
株主ファーストの経営方針は素晴らしいのですが、配当性向が高すぎると、余力が無いということでもあるので、このペースで配当を支払い続けると、純利益より支払い(配当)が多くなるので、増配が厳しいか?という見方もできてしまいます。
【KO】コカ・コーラ銘柄分析
その特徴から『ディフェンシブ銘柄』と呼ばれることもあります。
当期純利益
★当期純利益とは★
一会計期間の最終的な経営成績
簡単にいうと、企業が出した利益から税金やら銀行からの借入やらを全て引いて、企業に最終的に残る利益
★ここから何がわかる?★
この利益を使って、株主の配当金を払ったり、事業規模拡大の投資へ使ったりするので、当期純利益が減少し続けると、配当金が無配当や減配になる恐れもある。
営業利益率
★営業利益率とは★
その企業の収益力、つまり「本業での稼ぐ力」を読み取ることができる数値
★ここから何がわかる?★
その企業のビジネスモデルや競争優位性が分かる
業種によって、多少異なりますが、一般的に、営業利益率は10%から15%あれば優秀と言われています。
コカ・コーラは事業内容の所でも触れた、ボトリング事業(コストがかかる事業)をフランチャイズ化しているので、コカ・コーラ自体の営業利益率は20%を超える、非常に優秀な数値を出していると考えられます。
EPS:Earnings Per Share(1株当たり利益)
★EPSとは★
1株当たりの収益
★ここから何がわかる?★
株主が投資した株1株あたりで会社がどれだけの利益をあげているかが分かる
またEPSが成長すれば将来株価が上がるという判断もつく
グラフを見ていただければ分かる通り、EPSが安定していなく、下がったり上がったりを繰り返しています。
私がキャピタルゲインでは、コカ・コーラをC判定にしたのは、EPSの成長性は見られないため、株価がガンガン上がっていくという判断が出来ないので、今後も株価は横ばいの可能性が高いと判断した為です。
ですが、株価が下落しているわけでも無いので、D評価ではなくC評価としました。
自己資本比率
★自己資本比率とは★
返済不要の自己資本が全体の資本調達の何%を占めるかを示す数値
★ここから何がわかる?★
自己資本率が低いと他人資本の影響を受けやすいため、不安定な会社経営となり、自己資本率が高いと経営は安定し、倒産しにくい会社と判断出来る。
米国企業の自己資本率の平均は32%なので、平均よりは劣る数値となっています。
2017年までは右肩下がりとなっているが、2017以降徐々に自己資本率を上げているので、今後改善されていくのかが見どころです。
ROA:Return On Assets (総資本利益率)
★ROAとは★
会社が全ての資本(自己資本+他人資本)を使ってどのくらい利益を出したのかが分かる指標
※他人資本とは銀行からの借入等
★ここから何がわかる?★
ROAが高ければ効率よく利益を出していることになる、という企業の経営効率が分かる
これも企業の業種にもよりますが、一般的にROAは5%あれば優秀と言われていますが、コカ・コーラは直近10年で2017年だけ5%を割っていますが、それ以外の年は5%以上を超えており、経営効率が非常に良いと判断できます。
ROE:Return on Equity (自己資本利益率)
★ROEとは★
会社が自己資本(株主から調達した資金や会社の内部留保など返済義務がないお金のこと)を運用してどのくらい利益を上げたのかが分かる指標
★ここから何がわかる?★
ROEが高ければ「株主から集めた資金を使って上手く会社を経営している」と捉えられ、ROEが低ければ、債務過多状態であると見られるので、ROEの数値が株価に大きく関わってくる
これも企業の業種にもよりますが、一般的にROEは10%あれば優秀と言われています。
米国企業の平均は15%と言われているので、コカ・コーラは、ROEの数値はかなり優秀ですね。
PER:Price Earnings Ratio (株価収益率)
★PERとは★
株価が1株当たり純利益の何倍まで買われているか、つまり1株当たり純利益の何倍の値段が付けられているか
★ここから何がわかる?★
株価が現在割安か割高かが分かる
また「投資の回収期間」の判断として見る人もいる
PERは業種に毎に基準値が異なるので、一般的にいくらがいいとかは言えませんが、PERを見るときは同業他社のPERと比べるといいです。
同業他社のペプシコやネスレよりも高いので、コカ・コーラが現在割高と判断することができます。
また「投資の回収期間」として見る人もいると上記で記載しましたが、2021年Q3のPERは24倍ですので、元本回収は24年くらいかかるという見方をする事もできます。
PBR:Price Book-value Ratio (株価純資産倍率)
★PBRとは★
株価が1株当たり純資産の何倍まで買われているか、つまり1株当たり純資産の何倍の値段が付けられているか
★ここから何がわかる?★
株価が現在割安か割高かが分かる
PBRが1倍ということは、その企業の株価が資産価値と同じ水準で、1倍を割ると割安と判断出来る
PBRが1を割ると割安と判断出来るのに対して、コカ・コーラは2021Q3だと11。
つまりかなり割高な状態だと判断することができます。
営業CF (営業キャッシュフロー)
★営業C Fとは★
本業による収入と支出の差額を表す指標
★ここから何がわかる?★
企業がどれだけ儲かったのかが分かる、プラスなら本業でのキャッシュ・インが多くなっており、マイナスなら逆に現金支出が起きている
★営業CF、投資CF、財務CFを組み合わせて見ると?★
企業のお金の流れが分かります
投資CF (投資キャッシュフロー)
★投資C Fとは★
本業による収入と支出の差額を表す指標
★ここから何がわかる?★
設備投資や企業買収など、将来の事業拡大のためにどれだけお金を使っているかが分かります
マイナスであればより多くの投資を行っていることを表し、プラスであれば投資対象となるもの(証券、土地など)を売却してキャッシュを入手しているということを表します
★営業CF、投資CF、財務CFを組み合わせて見ると?★
企業のお金の流れが分かります
