こんにちは。アキラです。

 

米国株投資をし始めると、「こんな疑問出てきませんか?」

なんで企業は配当金を出すの?メリットは?
毎年配当金額を増やしているのはなぜ?
米国株投資をし始めた時、私はこの疑問が出ました。
「嬉しいんだけど、なんで?企業にメリットあんの?」
「深くは知らないけど、もらえるものはもらっておきます」とか「米国企業ってそういうものなんでしょ」って物分かりが良い方もいらっしゃるかもしれませんが、せっかく自分のお金を投資しているので、なぜ企業は配当金を出すのか、連続増配するのか、そこには企業側のメリットもきちんとあるので、理解することで、投資の理解度も深まり、長く投資をしていけるので、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。

米国企業の経営陣が語る、企業が配当を増配する本当の理由

Thinking, Person, Person Thinking, Think, Young

なぜ配当金を企業が出すのか、毎年配当金額を増やせるのか、という質問の回答に、「米国企業は、日本企業と違い、株主重視だから」「配当金を前年より少なくする(減配する)と経営陣がクビになるから」というような回答をよく見ます。
確かにその通りなのですが、株主重視の考えの米国企業といえども配当金を出していない企業はあります。
有名どころでいうと『Amazon(AMZN)』や『Alphabet(GOOGL)』とかですね。
企業はフリーキャッシュフロー(簡単にいうと、支払い等を全て済ませた後に残る自由なお金)を、設備投資やライバル企業の買収などに使って、事業規模を拡大させていくか、株主に配当金として還元するかなどの選択をします。
つまりこのフリーキャッシュフローをどう使うかは企業の方針によって違うので、必ずしも配当金に使わなくてもいいのです。
配当金を出すには企業側のメリットがあります。
手っ取り早く、米国企業の経営陣に配当を出す理由を聞いた配当投資のアナリスト「マーク・リクテンフェルド」氏のベストセラーGet Rich with Dividends(配当金でお金持ちになる)』を参考にします。
我々日本人よりを投資の目が肥えたアメリカでも評価は星4.4です。

企業が配当金を出すメリットとは?

 

マーク・リクテンフェルド氏が経営者、役員に配当金をなぜ出すのか聞いたところ、

『コミュニティ・バンク・システムズ』のスコット・キングズリーCFOは「配当は既存の株主を喜ばせるだけでなく、新しい株主を引き寄せる」と語った。

 

株を購入しようと決める基準は大きく分けると二通りですよね。

①株価が右肩上がりにガンガン成長していく(キャピタルゲイン)

②配当金を支払ってくれる(インカムゲイン)

 

特に②の配当金を支払ってくれる企業に投資する人が多いです。

株を所有しているだけでお金がもらえるのですから当然ですよね。

 

企業は企業で運用資金を外部から集めるには、これもまた大きく分けると二通りで、

①銀行や保険会社などの金融機関から借りる

②株や社債を発行して投資家に購入してもらう

ですが、①の金融機関から借りるは利息が付くので、できれば②の投資家に株を購入してもらいたいのです。

 

こうすることで、①配当金を出す→②投資家から株を購入してもらえる→③軍資金が増える→④軍資金をもとに事業拡大→⑤利益が増えて、配当金額UP→⑥既存投資家は株を売らない、新規投資家が買い付ける→⑦軍資金が増える

という黄金ループが生まれます。

 

配当金を増配していることで、株を持っていれば毎年お金が入ってくる上に、年々もらえるお金が増えていくなら、株を売らないですね。

しかも連続増配企業となると注目度も高くなり、増配していない企業より優先して投資家から株を購入してもられるメリットがあります。

 

それこそ株価が少し下がっても、むしろ新たに株を買おうかと考える人も出てくるので、株価の下落を支えてくれる優良な投資家を集めることもできます。

 

シカゴ大学教授ダグラス・J・スキナーとハーバード大学准教授のユージン・F・ソルテスは「配当を支払う会社が報告した収益は、そうでない会社より持続性が高い」とも語っていることからも配当金を企業が支払う大切さが分かるのではないでしょうか。

 

増配している企業は、なかなか減配しない

 

減配するとどういうことが起きるのかは、先ほどの黄金ループを理解されていればすぐにイメージつくと思います。

 

①配当を減配もしくは無配にする→②既存の株主が株を売る→③連続増配が途絶えて新規投資家から購入されづらくなる→④軍資金が減る→⑤軍資金集まらずビジネス縮小、売上低下→⑥配当金支払うことが困難

という形で今度は負の連鎖が起きます。

「配当金を前年より少なくする(減配する)と経営陣がクビになる」というのはここに繋がります。

 

こんな統計もあります。

2014年配当貴族指数に属している企業54社が全て増配した。
2008年から2012年の間で減配したのは年平均5社で2008年から2009年は世界大恐慌のため、この2年間を除くと年平均2社から3社で、指数全体の10%にも及ばない。

 

配当貴族指数とは簡単に言うと、S &P 500に選ばれている企業かつ、連続増配25年以上している企業のことです。

 

まとめ

 

『コミュニティ・バンク・システムズ』のスコット・キングズリーCFOは、「企業として多額の現金を所有していると、株主の利益にならない決断をしてしまいかねない」とも話しており、企業として、配当金を株主に出して、顧客満足度を高め、さらにビジネスを発展させると言うロールモデルが米国企業に根付いているから、配当を出すのではないでしょうか。

 

 

「米国企業だから配当金が出る、増配される」と認識でいているだけより、一歩踏み込んで理解することで、米国株投資を続けていく根拠を自分の中で1つ作れるのではないでしょうか。

 

 

今回「マーク・リクテンフェルド」氏のベストセラーGet Rich with Dividends(配当金でお金持ちになる)』から一部参考にさせて頂きましたが、数々の米国株投資本を読んできましたが、かなり配当金投資に特化している本です。

※2020年にようやく日本語で翻訳されました。

 

 

 

正直、日本発行の米国株投資本ってどこも似たような統計に基づいて書かれているので、「見たことある統計ばかりだな」なんて思うことも多いのですが、元々洋書の翻訳なので、本場アメリカのアナリストならではの解釈で、非常に勉強になりました。

 

機会があれば読んでみてください。

 

最新情報を是非チェックしてください!!